詳説日本史 書き込み教科書のレベルと使い方【共通テスト~早慶・東大】


・はじめに:この文章を書いている人

 

・高3夏時点の模試で日本史偏差値52⇛10月の模試で偏差値77までアップ。

⇛「流れ」の理解と「暗記」の徹底を意識した勉強で日本史を一番の得意科目に!

 

・偏差値50台の公立高校から現役で早稲田大学・慶應義塾大学・上智大学計8学部に合格し早稲田大に進学。

⇛高3になって最初の模擬試験では上記の全ての大学でE判定。

 

・早稲田大でも日本史を専攻し、日本史に関する知識を更に深める。

 

・上の経験を活かし現在は大手大学受験予備校で勤務。東大・京大・一橋大といった難関大や早慶大など難関私立大志望者から、偏差値40未満から逆転合格を目指す生徒に至るまであらゆる状況の生徒をのべ1000人以上指導。自習で使ってもらう参考書の選定・参考書を進める計画などを指導し、成績向上に寄与する仕事を続けてきました。

 

この記事では『時代と流れで覚える!日本史B用語』の内容やレベル、使い方について解説します!

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・『詳説日本史 書き込み教科書』とは?簡単に紹介

 

・概要:全国ほとんどの高等学校で教科書として採択されている山川「詳説日本史」を書き込み式にした本。教科書の重要部分が空欄になっており、空欄を埋めながら教科書を読み進めていくことで歴史の流れの理解だけでなく重要語句の定着の助けになる一冊。

 

・出版社:山川出版社

 

・想定志望レベル:日本史を受験で使う全ての人。具体的には共通テストの日本史Bで80点以上獲得したい人/GMARCH・関関同立の日本史で合格点を取りたい人/国公立大二次試験や早慶大入試の日本史で合格点を取りたい人

教科書の知識をしっかり使いこなすことができれば日本中どの大学の入試でも合格点を取ることが出来ます!!これは間違いありません。

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・『詳説日本史B 書き込み教科書』は中上級者向け!初心者は違う参考書を!

『詳説日本史B 書き込み教科書』で出来ること

『詳説日本史B 書き込み教科書』は、大学受験で日本史を使う全ての人に必要な教科書の知識をしっかり覚えてもらうため、書き込み式にして暗記・定着を促すテキストです。

記載されている内容は高等学校の授業で教科書として使われる『詳説日本史B』と全て同じ内容です。この参考書で実現できることは、ズバリ「重要な教科書の語句や文章を本当に覚えているのかチェックできること」です!教科書を眺めているだけだと、なんとなくわかった気がしていても実は覚えられていない、というギャップが生まれてしまうことが多いです。

一方、この『書き込み教科書』を活用すれば「自分が本当に覚えることが出来ているのか」をチェックしながら教科書の流れを確認することが出来ます。

 

・共通テストレベル

書き込み教科書で空欄になっている言葉が8割以上分かり、その語句の簡単な説明ができるようになっていれば共通テスト日本史で80点以上目指せます。

 

・MARCH・早慶など難関私立大学レベル

書き込み教科書で空欄になっている言葉が8割以上わかるようになればMARCHレベルの合格点は十分に目指せます。また、書き込み教科書で空欄になっている言葉が95%以上わかるようになれば早慶大でも合格点を取ることが可能です。

 

・東大や京大、一橋大など難関国公立大レベル

選択問題名称の記述問題であれば書き込み教科書空欄レベルを押さえていれば問題なく対処できます。また、論述形式の問題を解く際にも書き込み教科書に掲載されている文章を参考に答案を書けば間違いなく合格点レベルの答案を書くことが出来ます。

 

特に、様々な日本史学習者からの評価や評判を聞くと、早慶大や東大京大一橋大レベルの大学合格者ほど教科書を使って勉強していることが多いです。

早慶大の入試で出題される文章や選択肢、東大や一橋大の論述問題で問われる論述問題のテーマは教科書で記載されていることがほとんどです。私の予備校の生徒からも、最初は他の参考書等で勉強してある程度基礎学力を付けた上で教科書を読んでみると教科書がいかによくまとまった一冊かということがわかる、という声をよく聞きます!

『詳説日本史B 書き込み教科書』を使う上で気を付けなければいけないこと

『書き込み教科書』を使う上で気を付けなければいけないこと、それは一言で言えば「書き込み教科書は日本史初学者向けの教材ではない」ということです。

これは書き込み教科書がどう、というよりは「教科書」自体が初学者に向いていないと個人的には考えています。その理由をこれから説明します。

 

理由①:教科書はもともと先生が説明の補助に使うことを想定して作られている。

教科書という教材はそもそも読み手である生徒にわかりやすく読んでもらうことよりも、学校の先生が高等学校のカリキュラムの中で必ず教えるべきことを整理した本です。よって先生の説明が加わって初めて効力を発揮する側面があります。先生の説明なしに自学で使われることを想定していないのが教科書、という言い方も出来ます。

 

理由②:読み進めていくのがつまらない・しんどいと感じてしまう人がとても多い。

元が教科書の教材なので、文章の量がとても多いです。硬めであまり面白さは無い文章をひたすら読み続けなければいけないのがあまりにも大変で、挫折してしまう方も少なくありません。また、実際の利用者の口コミ・レビューを見ると、「漢字にフリガナを振っていないので読み方をいちいち調べなければいけない」「調べながら空欄を埋めていくので時間がかかる」といった声が多く、やはり日本史学習をこれから始める人にとっては使い方に難しさがあることが分かります。

 

理由③:歴史的な因果関係について、噛み砕いた説明がなされていない。

これは教科書に求められている役割を考えると致し方がない部分ですが、教科書にはわかりやすく噛み砕いた説明はありません。これから日本史の勉強を始めるという人が教科書を読むと教科書の文章を読んでも「どうしてこれがこうなるの?」という疑問が解消されない場合が多いです。教科書を読んでいて疑問が解消されないと感じることが多い人は、市販のより噛み砕いた説明が売りの参考書で学習するのが良いでしょう。

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<『詳説日本史B 書き込み教科書』をおすすめしたい人>

・共通テストで8割以上取るための知識・流れを押さえたい人

・MARCHや早慶、難関国公立大の入試問題で合格点を取るための知識を1冊で身につけたい人

・他の参考書等で一通り日本史の勉強をした上で、知識を再確認したい人

・教科書の文章を読むのがあまり苦でない人

・学校の日本史の授業をしっかり理解できており、その復習をしたい人

 

<『詳説日本史B 書き込み教科書』をおすすめしない(まずは違う参考書を使うべき)人>

・これまで本格的に日本史の学習をしたことがなく、これから日本史の基礎を固めたい人

・教科書の文章を読み続けることに抵抗感がある人

・日本史の勉強をまずは独学(もしくは独学に近い形)で始める必要がある人

 

ということになります。ぜひ参考にしてください!

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『詳説日本史B 書き込み教科書』の使い方

 

【『書き込み教科書』を使って基礎固めをしたい人向けの使い方】

①まずは、1章ごとに書き込みを行う。

教科書や日本史用語集を手元に用意し、空欄に語句を記入していきましょう。

一気に全部書き込む必要はありません。1日1章などペースを設定し1章分の空欄の記入が終わったら②の作業に移行しましょう。

なお、書き込みの際は、後で赤シートで隠せるように赤やオレンジのペンで記入しましょう。

②見たことがない語句や意味が説明できない語句があったら、「日本史B用語集」で確認し、その意味を余白に書き込む。

①で語句を記入していく中で、意味がわからない語句に出会うかもしれません。そういった場合には、『日本史B用語集』でその言葉を調べ、意味を余白などに書き加えておきましょう。実際の入試問題では、語句だけ覚えていてもその意味がわからないと問題を解くことは出来ませんのでこの作業は必ず怠らないようにしましょう。

また、『日本史B用語集』が手元にない方は購入することを強くおすすめします(電子辞書をお持ちの人はその中に用語集が収録されているかもしれません)。

 

③赤シートで隠しながらでも文章を止まることなく読めるようになるまで繰り返し音読する。

②までの作業を通じて、これから覚える語句がどのような意味なのか理解できたはずです。その状態になったらいよいよ本気で語句のインプットに努めましょう。やり方としては短時間で繰り返し反復が可能になる「音読」をおすすめします。具体的には、赤シートで隠しながら文章を読み進めていきましょう。そして赤シートで隠した語句が頭に浮かばなかったら、最初に戻りもう一度最初から赤シートで文字を隠しながら文章を読み進めていきましょう。最終的に赤シートで隠しながらでも全ての語句を思い出しながら文章を読み切れたら一旦OKです。記憶を強固にするためには、この「思い出す」という作業を何度も何度もしなければいけません。大変ですが非常に力がつく方法ですので、ぜひ参考にしてください!

冒頭に記載した通り実際に私は高3の夏の段階で日本史の偏差値は52程度でしたが、音読を中心に「全ての語句を隠しながらでも言えるようになるまで繰り返し文章を音読する」という学習を2ヶ月程度徹底したところ、10月の河合塾記述模試の日本史では偏差値が77まで伸びました。予備校で担当する生徒に実践させてもほぼ全ての生徒が効果を実感できる学習方法なので、ぜひ根気強く取り組んでみてください。

 

④翌日・一週間後に③の作業をもう一度実施する。

③の作業を行うとその分野についてはかなり力がついたことを実感できるはずです。

ただ、人間はそれだけ頑張ってもどうしても忘れてしまう生き物です。忘れてしまうことについて落ち込む必要はありません。ただ、忘れてしまうのであればその対策をすることは重要です。対策として重要なのが、「翌日と1週間後にもう一度③の作業を実施する」ということです。インプットしたことを反復する日をあらかじめ設定しておくことで、その分野についての知識を長期的な定着につなげることが可能になります。

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【基礎固めが一通り終わっている人の『書き込み教科書』使い方】

 

①『書き込み教科書』空欄をノーヒントで埋められるか、自分にテストを行う。

まずは空欄を自力で埋められるかどうかを確かめましょう。できればテストは『書き込み教科書』に直接書き込まず、ノートに行うようにしましょう(後で間違えた内容を教科書に赤字で書き込めるようにするため)。テストの結果を踏まえ、次の学習に進みましょう。

※テストした結果空欄を半分も埋められなかったという方はこれまでの基礎固めになにか問題があるため、もう一度基礎の勉強をやり直すか学習方法について先生など頼れる方に相談するようにしましょう。

 

②テスト結果を踏まえ、『書き込み教科書』に書き込みを行う。

特に、テストで書けなかった語句にはアンダーラインを引く/付箋を貼るなどして目立つようにしておきましょう。

 

③見たことがない語句や意味が説明できない語句があったら、「日本史B用語集」で確認し、その意味を余白に書き込む。

 

④赤シートで隠しながらでも文章を止まることなく読めるようになるまで繰り返し音読する。

 

⑤翌日・一週間後に③の作業をもう一度実施する。

 

ここのやり方は上と同じです。

ここまで暗記にこだわって取り組めば少なくとも模試で偏差値60以上は間違いなく獲得できるはずです!

ちなみに時期的には『書き込み教科書』を使った学習は理想を言えば夏休み終了までに、それが難しくても10月末までには完了させておきましょう!

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『時代と流れで覚える!日本史B用語』が終わったら次は?

『詳説日本史B 書き込み教科書』が完遂できたら、基本的には志望校に合わせて問題演習を本格化させていきましょう。

 

<GMARCHや関関同立志望者におすすめの日本史問題集・参考書>

・『日本史問題集 完全版』

・『実力をつける日本史100題』

・『全レベル問題集日本史B 私大標準レベル/私大上位・最難関レベル』

・『関関同立日本史問題集』など

 

<早慶大志望者におすすめの日本史問題集・参考書>

・『日本史用語集』⇛マニアックな内容の収集には用語集が一番適している。

・『攻略日本史テーマ・文化史 整理と入試実践』⇛高レベルなテーマ史・文化史対策に有用。

・『実力をつける日本史100題』

・『日本史標準問題精講』

・『全レベル問題集日本史B 私大上位/最難関レベル』

・『早稲田大学入試対策用 日本史問題集』など

 

<東大・一橋大・筑波大など論述対策が必要な人におすすめの日本史問題集・参考書>

・『日本史の論点 論述力を鍛えるトピック60』

・『段階式 日本史論述のトレーニング』など

・『詳説日本史B』⇛入試前日まで教科書を繰り返し熟読してください。

 

【番外編】※日本史の流れを一から理解したい人向けの参考書・コンテンツ

・「スタディサプリ日本史」⇛講義が非常にわかりやすく作られているため学校の授業代わりに使いやすい。予習も可能。

・『金谷の日本史 なぜと流れがわかる本』⇛網羅度に欠けるが、スピーディーに通史を理解できるという観点においては右に出る参考書はない。

・『石川晶康 日本史B講義の実況中継』⇛網羅度は高く、この1冊で全ての大学に対応可能。ただそれと引き換えに量が非常に多いので始める時期に注意。私大志望者向けか。

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