高校物理の勉強では、前置きなしに専門用語が使われ、その読解にしばしば悩まされることがありますよね。
その中でも、今回は万有引力の勉強中に度々出てくる、「無限遠」について解説します!
⇒私の英語の偏差値が1か月で43から70に爆上がりしたワザはこちら
<まずは万有引力について解説>
次に万有引力について簡単な説明をします。
万有引力とは、「二つの物体間で相互に作用する引力」のことです。
身近な例えでは、皆さんと目の前のパソコンやスマホの間でも働いていますし、地球を私たちの間でも働いています。
という式で表されます。
次元(単位)について考えてみると、万有引力の単位は[N](ニュートン)で、力の大きさであることがわかります。
また、重力や弾性力と同様に保存力であり、すなわち位置エネルギーがあるとみなせます。
保存力とは、力がする仕事が経路によらず同じ仕事をなす力のことです。
⇒私の英語の偏差値が1か月で43から70に爆上がりしたワザはこちら
<位置エネルギーの復習>
万有引力や無限遠の考え方を勉強する前に、位置エネルギーの復習をしましょう。
位置エネルギーとは「物体がある位置にあることで、蓄えられるエネルギーのこと」でしたね。
重力による位置エネルギー
……質量mの物体が高さhの位置にあるとき、大きさがmghの位置エネルギーを持ちます。
弾性力による位置エネルギー
……ばね定数kのばねをxだけ伸ばした時に、という大きさの位置エネルギーを持ちます。
(位置エネルギーの定義には積分が必要です。高校物理の範囲では公式の暗記だけで我慢しましょう。数IIIを勉強した方は、チャレンジしてみてください。)
⇒私の英語の偏差値が1か月で43から70に爆上がりしたワザはこちら
<万有引力による位置エネルギーとは>
下記の式において、
M, mは物体の質量によって決まり、Gは万有引力定数でですので、
位置エネルギーは変数rの値によって決定します。
そして、万有引力による位置エネルギーの式が以下です。
エネルギーなので、単位は[J](ジュール)です。
⇒私の英語の偏差値が1か月で43から70に爆上がりしたワザはこちら
<無限遠を使うわけ>
重力による位置エネルギーでは、基準を定め、基準位置では位置エネルギーが0になりました。
ではなぜ、万有引力による位置エネルギーでは基準を無限に定めるのでしょうか?
(ここでの無限遠は「無限遠方」とか、「無限遠点」などと同じ意味です)
ややこしい説明はここまでにして、いきなりですが、基準を無限遠に定めてみましょう。
「基準を無限遠に定める」を数式で表すと、r=∞ です。
先述した万有引力による位置エネルギーの式に代入すると、
となります。
お察しの方もいるでしょう。基準を無限遠に定めることで、基準位置での位置エネルギーがゼロになるのです。
万有引力の位置エネルギーを考える際に、無限遠を導入する理由は、
「万有引力による位置エネルギーを分かりやすくするため」なのです。
⇒私の英語の偏差値が1か月で43から70に爆上がりしたワザはこちら
物理の無限遠の解説まとめ
というわけで、物理の勉強中、突然登場する「無限遠」の解説をしました。
ややこしい概念ではありますが、わかりやすくするために導入されたものでした。
実は、無限の概念は数学IIIで登場します。受験科目で物理を使う方の多くは、数学IIIも使うのではないでしょうか?
物理は積分や微分を多用する科目ですので、数学IIIを学習してから改めて勉強すると、物理全体の考え方への理解が深まるのではないでしょうか?