英文解釈教室とは
英文解釈教室は、1977年の発売以来多くの受験生に支持され続け、累計100万部を突破した名著です。
著者の伊藤和夫先生は「英文解釈教室」以外にも「ビジュアル英文解釈」など多くの英語参考書を世に送り出してきました。
この伊藤和夫先生の英語の最大の特徴は、「英文読解のプロセス」を大切にしていることです。
この「英文読解のプロセス」を考えるための要素はたくさんあるのですが、例えば「主語+動詞+名詞にそれぞれどのような意味を持つ可能性があるかを追求する」といったものです。
このような伊藤和夫先生による英文読解の考え方は、40年以上たった現在においても英語学習法のルーツになっていると言えるでしょう。
「英文解釈教室」は、伊藤先生の英語学習に対する考え方が全て詰まっている渾身の一冊です。
当時の英語学習に旋風を巻き起こした「英文解釈教室」ですが、少々使いにくい点や独特な考え方もあり、時には学習者を困惑させてしまうこともあり、口コミをみるとこの本の評価や評判は賛否が分かれることもあるようです。
この記事では、「英文解釈教室」の中身に触れながら、徹底的にレビューしていきます!
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英文解釈教室の入門編のレベル
まずは入門編について見ていきます。
全部で15章に分かれており、一つ一つの分量はそこまで多くないため、一日一章ずつ回せば約2週間で終えることができます。
「入門」とはいえ、あくまで伊藤和夫先生の本の中の導入といった意味合いが強く、「第5文型」など高校英語の英文法の基礎は身についていることが前提であることには注意してください。
解説は比較的丁寧に書かれており、収載されている英文の難易度としては共通テスト・日東駒専レベルです。
長文読解が苦手な受験生にとっては、英文を読み進めるヒントを得ることができるでしょう。
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英文解釈教室の基礎編のレベル
次に、「基礎編」について解説していきます。
基礎編は入門編と同様に全部で15章あり、各章に100〜200語程度の英文が2つずつ掲載されています。
各章の最後には重要な構文の説明が書かれているため、その都度確認しながら解き進めることができます。
収載されている英文は共通テストレベル~MARCHレベルで、入試レベルの英文解釈の基礎力をつけるために適当な難易度です。
早慶を志望する人も、早い段階でこの英文解釈のルールを身に付けることができれば、その後の英語学習もスムーズに進めることができるでしょう。
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英文解釈教室の新装版のレベル
「新装版」の難易度はかなり難しいです。
同じ英文解釈系の参考書である「英文読解の透視図」や「ポレポレ」と比べても、収載されている英文の難易度はかなり高いと言えるでしょう。
透視図やポレポレも東大・京大をはじめとする難関大学を目指す受験生が使うことが多いですから、いかにレベルが高いかが分かるかと思います。
現存するこの手の(英文解釈系)参考書では最高難易度の一冊であると言っても過言ではありません。
そのため、基礎がしっかりと身についているだけでなく、いくつかの参考書で演習問題を終えている状態で解くのが望ましいです。
共通テストレベルであれば9割以上は得点できていることが目安です。
また、レビューを見ると「解説が簡素のため分かりにくい」といった声が非常に多いですが、「新装版」はあくまで英文解釈の考え方を指南する本であり、ある程度英文読解を心得ている人が使うことを想定されているといえるでしょう。
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英文解釈教室の新装版と改訂版の違い
もともと難易度が高かった「改訂版」をリメイクしたのが「新装版」にあたりますが、「新装版」を購入することをおすすめします。
レベルとしてはそこまで違いはありませんが、改訂版では誤字や脱字が散見されていましたが、新装版はいくつか訂正されています。
また、改訂版では解説文がわざと直訳調になっていますが、訳自体が解りづらくその解説も頭に入りにくいうえ、明らかな誤訳も多いです。
そのような点も「新装版」ではわかりやすい訳になっているため、安心して使うことができます。
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英文解釈教室の使い方、勉強法
「英文解釈教室」は圧倒的な英文のボリュームが特徴ですから、使い方としては長文読解・和訳が基本です。
単語だけを覚えて力技で英文を訳していく、という方法は共通テストやMARCHレベルであれば通用してしまいますが、早慶や東大・京大となると到底太刀打ちできません。
本書に書かれているやり方に沿って、構文ごとに意味をしっかり確認しながら、前から丁寧に訳しましょう。
また、本書では正直、変な文章=悪問のような英文が多数載っています。
しかし、この一見エキセントリックな文章も、実は根拠を持って読解に挑めば簡単に訳すことができるのです。
そして、東大・京大をはじめとする難関大学の入試問題も、スタンダードな構文で成り立つ問題ばかりではありません。
「英文解釈教室」で様々な英文に触れる中で、「ごまかさずに自分で考える」という行為はまさに「英文読解のプロセス」をたどることができます。
書かれている内容のすべてを自分のものにできなかったとしても、必ず英語学習のヒントになる一冊です。
受験生には、ぜひ一度目を通してほしいと思います。